メランジュの露頭【長良川本流沿い露頭編11】

メランジュは、もともとは混合を意味するフランス語で、いろいろな種類の岩石が複雑に混じりあった地質体を指します。

美濃帯堆積岩類においては、泥岩の基質中に、緑色岩(玄武岩質溶岩など)・石灰岩・チャート・珪質泥岩・砂岩などからなるさまざまな大きさの礫あるいは岩塊を数多く含む地質体です。海洋プレート上にのった堆積物(緑色岩・石灰岩・チャート・珪質泥岩・砂岩など)が、海溝部で大陸に付加される過程で、高い間隙水圧をもった泥が地層の間に注入しながら形成されると考えられているようです。

写真は、メランジュの露頭の北東部に分布している海洋プレートにのった玄武岩質溶岩(南から撮影)です。

ここのメランジュは、研究者によって詳しく調査されています。

砂岩とチャートの間に断層で挟まれて分布し、全体の厚さが50m~60mのようです。長良川沿い右岸側の露頭は北東-南西方向に分布していて、南西部では海洋プレートにのったチャート層と泥岩、砂岩層がもとになってそれらが混合しています。北東部では、海洋プレートにのった玄武岩、石灰岩、珪質粘土岩、チャート層などが泥岩の基質と混じりあっています。

チャート角礫岩(南から撮影、上部に写っているのは玄武岩質溶岩)

珪質粘土岩(中下の写真、南西から撮影)

地質図において、メランジュは表現されていませんが、5万分の1の地質図では1mm程度の厚さのものです。×地点の北東に分布する黄色(Mss)はおもに砂岩からなる地層で、南西に分布するオレンジ色(Mch)はおもにチャートからなる地層です。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)

なお、この露頭の一部は昨年の長良川沿いの玄武岩質溶岩4と同じで、最初の写真はその時にも使用しています。

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最後の写真は、メランジュの露頭の南西部に分布している砂岩層(南西から撮影)です。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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