板取川沿いにおいて石灰岩はあまり分布していませんが、関市板取老洞の右岸には露出しています。
石灰岩は、大昔のサンゴ礁が海洋プレートによって運ばれ、日本列島にくっついた(付加した)ものです。セメント生成のための石灰岩採掘場所や鍾乳洞のような大きな規模の石灰岩岩体から数m規模の石灰岩まで大小様々な石灰岩があります。
表面は汚れていて見にくいですが、板取老洞には数m~10数mオーダーの石灰岩が露出しています。この石灰岩は、奥美濃酸性岩類による高熱によって熱変成しており、結晶石灰岩になっていると思われます。また、近くにはチャート層も露出しています。
板取一里保木のキャンプ場から約1.6km北進すると、老洞の集落が見え始め、右側(東側)に川原に下りる鉄製の階段がついています。その階段の10m先には老洞の表示板があります。そこを下り、下流(東)に向かって50m強のところに石灰岩が露出しています。
写真が三種類ありますが、上の写真は階段から東へ50m強のところにある石灰岩を西から撮ったもので、真中の写真はその一部を割って接写したものです。
下の写真は階段を下りて北へ200mほどのところに露出しているチャート層です。同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の●を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。