地学に興味が出たときに読む本【おすすめの本2】

「地学って面白そうかも」「面白いのかな?」と感じ始めている方もいるのではないでしょうか。

一言に「地学」と言っても、小さな石ころから果ては地球・宇宙まで、実に幅広い学問です。

40年以上石や地質に触れてきた父が、色々な角度から、地学にまつわるおすすめの本を6冊紹介します。
 

目次

1.【石のつくり】石ころ博士入門

高橋直樹・大木淳一著 全国農村教育協会 2015/5/9 2,970円

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著者は千葉県立中央博物館の研究員の方です。石ころ(岩石)について、成因を明確にして、識別のポイントをわかりやすく解説しています。

特に、岩石のつくり(組織)について拡大写真、顕微鏡写真(偏光顕微鏡写真)を使って説明されていて、わかりやすいです。見開き2ページで一つの岩石を紹介しています。

また岩石の分類については、火成岩、堆積岩、変成岩だけでなく、その分類の中に入りにくい火山砕屑岩、変形岩についても詳しく述べられています。川原などに落ちている人工物や、なかなか見ることはないですが隕石についても紹介されています。

ひとつひとつの石ころの背後に地球の営みが隠されていて、大昔地球に起きたことを記録しているのが石ころだということを大切にして書かれてある、わかりやすい石ころの本です。

2.【地球史】地球進化46億年 地学、古生物、恐竜でたどる

高橋典嗣著 ワニブックス 2020/11/25 1,100円

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46億年前から現在までの地球史を、トピックごとに見開き2ページの文章と関連した写真で紹介した本です。

「太陽系と地球の誕生」「超大陸の誕生」「生命の萌芽と真っ白い地球」「古生物の生き物たち」「恐竜の時代」「新生代、ヒトの時代へ」という6つの項目をより詳しい小項目にわけ、わかりやすく書かれてあります。地球の46億年の歴史を知るには良いと思います。

日本内の4ヶ所のジオサイト(地質がわかる露頭)も紹介されています。

3.【日本のでき方】日本列島誕生のトリセツ 

高橋典嗣著 昭文社 2023/1/13 1,650円

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2で紹介した「地球進化46億年」と同じ著者です。こちらは、日本で起きた地質現象について時系列でわかりやすく紹介しています。見開き2ページで1項目の紹介です。

大陸から分かれて、日本海を拡大させながら日本列島が形成されたことについては、別に章を設けて、図を入れながらわかりやすく説明されています。

地質図または地形図と写真を使って、日本各地のジオサイトも載っているので、ジオサイトの案内書にもなります。

4.【山の成り立ち】日本の山ができるまで 五億年の歴史から山の自然を読む 

小泉武栄著 エイアンドエフ 2020/1/20 2,640円

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著者は、山の地形・地質、地形・地質と植生の関係などの本を多く執筆されている小泉武栄氏です。

日本列島の地質について、5億年ほど前から現在に至るまでを時系列で、日本各地を紹介しながら解説しています。写真も多く使われています。

タイトルのように山の自然がメインですので、平地部の地質の紹介はありませんが、日本列島の主な地質と、過去にどのような地質現象が起こり、現在どのように見られるのかについて詳しく書かれてある一冊です。

5.【食材と地質】「美食地質学」入門

巽好幸著 光文社 2022/11/30 946円

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著者は元神戸大学の教授で、マグマ学の視点で地球の進化や超巨大噴火のメカニズムを探究し、多くの書籍を出版しています。

また、地質と食のかかわりに精通し、YouTubeでは「巽好幸の美食地質学」を公開されているほか、岩波書店からも和食と地質とのかかわりについて「和食はなぜ美味しい」を出版されています。

今回の本は、昨年末に出版されたもので、日本各地における食材と地質との関わりを詳しく、そして面白く教えてくれます。

長野の蕎麦、関東の野菜、讃岐のうどん、瀬戸内・江戸前の魚介、山梨のワイン、日本海のカニ、富山湾のホタルイカ、宍道湖のしじみ、日本酒など、日本各地の名産品がなぜ発達したのか、日本列島のでき方や堆積物、水の特徴などと関わらせながらわかりやすく解説されています。

6.【化石】ウンチ化石学入門

泉賢太郎著 集英社インターナショナル 2021/4/12 880円

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化石についての本は多くありますが、中でもウンチの化石についての本は、最近になってやっと数冊出版されているという感じです。

化石は骨や歯、葉っぱ、貝殻などをイメージしますが、古生物のウンチも残っていれば立派な化石です。特に、ウンチから食事メニューがわかったり、排泄した動物の大きさを推定したり、生き物の住みか(巣穴)とウンチとの関係がわかったりするなど、ほかの化石からはわからない生活の一部を我々に教えてくれます。

著者が行ってきたフィールドワーク(調査研究)がどのようなものかも書かれていて、興味をもって読める一冊だと思います。

終わりに

いかがでしたでしょうか?

地学は奥が深く、そして幅広い学問です。あなたはどれが気になったでしょうか?

この記事があなたと地学との出会いのきっかけになれば幸いです。

 

第1弾はこちら。地学初心者でも読みやすい、色々なテイストの本を紹介しています。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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