前回長良川本流沿い露頭編その162で紹介した大和町中万場右岸河床の砂岩層と同じ露頭を再度紹介します。
前回は、西から写真を撮ったものを載せ、泥質岩片を多く含む砂岩層として紹介しました。
この露頭には、水平に近い面が4段あり、いずれの面も北西-南東から西北西-東南東を軸として、北東から北北東に20°~30°傾いています。
そして、4段あるいずれの面にも、線状のわずかな凹凸が平行に見られます。上の写真は砂岩層の露頭を北東からパノラマで撮ったもので、4段の面を下位から順にⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ面と記載してあります。Ⅱ面が一番広く、次がⅢ面、そしてⅠ面とⅣ面は狭いです。
下の写真は同じような左右に二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。スケールとして置いてある黄色の折れ尺、短い定規の長さは、それぞれ1m、約17cmです。
また、下の写真はⅡ面を近づいて北東から撮ったものです。岩石の表面に痕があるのがわかります。
岩石の面と面とが擦れ合ってつく擦痕のようにも思いましたが、4段ある面がほぼ同じ軸と傾き(走向と傾斜がほぼ同じ)をもち、平行な線状の構造がいずれも、N10°~35°Wを向いていることからして、水の動きで形成された漣痕ではないかと考えます。
漣痕とは、地層の面上に残されているさざ波状のでこぼこをいい、水の流れ、波や風によってたい積物の表面につくられたものが、そのまま地層の中に保存されたものです。
下の写真はⅢ面を近づいて同じく北東から撮ったものです。Ⅱ面もⅢ面も横方向に筋状の凸凹が延びているのがわかります。
漣痕についてはこちらでも紹介しています。