長良川沿いのメランジュその5で紹介した赤池の長良川鉄道橋梁上流の混在岩を再度紹介します。
長良川鉄道「赤池駅」東の踏み切りを南に進み突き当たった長良川右岸沿いにはチャート層が広がっていますが、長良川鉄道の鉄橋の橋脚近くには混在岩が見られます。
地質図によると、この露頭が見られる赤池周辺には、灰色(Mmx)であるメランジュからなる地層が広く分布しています。ただし、そのメランジュの中にチャート(オレンジ色(Mch))の巨大岩塊がところどころに分布します。
地質図において×が2ヶ所ありますが、いずれも灰色(Mmx)の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
メランジュは、海洋のプレートの上に堆積したものが、陸側のプレートの下にもぐりこむ際、はぎ取られ混ざり合いながら陸側のプレートにくっついていく(付加する)場合の特徴的な地質体です。
陸側のプレートに付加する過程で、高い間隙水圧をもった泥が地層の間に注入しながら形成されると考えられているようです。そのため、実際には泥岩の基質中に、海洋で噴出したり堆積したりしたものからなるさまざまな大きさの礫あるいは岩塊を数多く含んでいる岩石で、混在岩と表現します。
写真は、長良川鉄道の橋脚より東へ100m弱のところで見られる混在岩を東から撮ったものです。(地質図の黒色の×地点)
下の写真は、ハンマーの左を近づいて撮ったものです。ハンマーの左の礫は砂岩です。
真中の写真(地質図の緑色の×地点)は、前回の「長良川本流沿い露頭編その87」で紹介した甌穴の7mほど東で見られる露頭を撮ったものです。混在岩と層状チャートの境界部をパノラマで西から撮りました。
下の写真は上の写真の中央部を近づいて撮ったものです。
下の写真は真中の写真(または中下の写真)のハンマーの左を近づいて撮ったものです。左側の灰色のものがチャートで、右側の黒っぽいものが混在岩です。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。