地質図によると、この露頭(×地点)がある赤池集落周辺は、灰色(Mmx)であるメランジュからなる地層が広く分布しています。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
前回長良川本流沿い露頭編その88の露頭や、×地点の南へ50m強のところでは、泥岩の中に大小の砂岩やチャートの岩塊が入っている混在岩の露頭が見られます。
混在岩はメランジュを構成する主な岩石です。
この露頭は層状チャートと珪質粘土岩からなっていますので、メランジュ中の巨大な岩塊だと思われます。
層状チャートは、青灰色~淡青灰色をした数cm~8cmの厚さのチャート層に、淡緑灰色をした5mm~数cmの厚さの泥岩層がはさまれています。
下の写真のハンマーの周辺は珪質粘土岩で、上部および左側にかけて層状チャートが分布しています。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
また、ここの層状チャートは、チャート層がブロック状になっている部分があります。珪質粘土岩は、淡灰色~淡青灰色の粘土岩に、数mm~2cm幅の細長いレンズ状の黒色珪質泥岩を多くはさんでいます。
下の写真は、珪質粘土岩(下側)と層状チャート(上側)の境界部を撮ったものです。層状チャートのはさんでいる泥岩層が厚く、チャート層がブロック状になっています。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。