今回紹介するのは、以前紹介した長良川沿いの石灰岩その2と同じ露頭です。昨年は河原の石に埋まっていて露頭が見えなかったのですが、現在は河原の石が移動したために石灰岩が露出しています。
写真は河原に露出している石灰岩を北西から撮ったものです。
美濃帯堆積岩類の中の石灰岩は、大昔のサンゴ礁が海洋プレートによって運ばれ、大陸の縁(現在の日本列島)に付加したものです。
石灰岩は主に炭酸カルシウムからなっているため、酸性の水溶液に溶けます。雨水によっても徐々に溶けてしまいます。
そのため、石灰岩が露出しているところでは、石灰岩が溶けて独特の地形が作られることが多いです。
下の写真には上の写真の左側を近づいて撮ったものです。石灰岩の表面に上下方向の溝状のものが見られますが、これは雨水などによって溶けた跡です。カレンと呼ばれます。
同じような写真が並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
地質図はこちらです。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)
露頭のある地点(×地点)はそら色(Mlm)で、おもに石灰岩からなる地層です。緑色(Mbs)の中に小規模に分布しています。緑色はおもに緑色岩(玄武岩質火山岩類)からなる地層です。
下の写真は石灰岩を接写したものです。中央上にフズリナが写っています。
フズリナは、紡錘虫とも呼ばれる有孔虫の一種です。古生代の約1億年の間に栄え絶滅したため、示準化石(地層が堆積した時代の推定に役立つ化石)としても有名です。