溶結凝灰岩は、高温の火山ガスや火山灰、軽石などが山体を流れ下った火砕流が堆積し、高温(800℃ほどと言われる)のため、大規模に噴出し堆積すると中に入っているガラス質の部分などが自分の熱と重さでつぶれて固結した岩石です。
そのため、ボール状のものが入っていれば、上下につぶされ横から見るとレンズ状(凸レンズ状)になります。
火山灰の中には、冷え固まったら軽石になるような空洞が多いものも入っていますので、それがつぶされレンズ状になっているのです。
そのレンズ状のもの(本質レンズと呼びます)のつぶれた方向が、その火砕流堆積物が堆積した方向を表しているのです。
その本質レンズが多く入っている溶結凝灰岩が、郡上市高鷲町にある湯の平温泉の東の川原で見られます。
郡上市高鷲町大鷲に日帰り温泉「湯の平温泉」があります。駐車場へ入る手前を東へ行き、川原へ下りる道を進むと、長良川の右岸に出ます。
岩石が露出していますが、白鳥流紋岩の中の溶結凝灰岩です。
下の写真は本質レンズが多く入っている部分を近づいて撮ったものです。シャープペンの長さは14.6cmです。右斜め上に向いているいくつもある黒っぽい(本来は緑っぽい)細いレンズ状のものが、本質レンズです。
下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある左の●と右の●を重なり合わせるように見ると立体的に見えます。