長良川沿いの砂岩・泥岩その2で紹介した美並町三日市の砂岩層を再度紹介します。
美並町䦰本(くじもと)と三日市に架かっている講話橋の左岸を堤防沿いに西へ(下流に向かって)350mほど進むと、左岸に岩石が連続して露出しています。
その露出しているのが、砂が堆積して固まった砂岩です。
砂などが水中で静かに堆積するときは、粒度の大きなものが先に沈み、粒度の小さなものが遅れて沈みます。そのため一回の堆積においては、大きな粒が下の方に、小さな粒が上の方に堆積します。このように、下部から上部に向かって堆積物の粒の大きさ(粒径)が次第に小さくなっている堆積構造を級化層理と呼びます。級化層理が見られる場合は、堆積時の上下がわかります。
下の写真は、上の写真に写っているハンマーの上部を近づいて撮ったものです。堆積面(オレンジ色の点線)は斜めになっていますが、下の方は砂粒が大きく、上の方は砂粒が小さいのがわかります。写真の縦は10cmです。
下の写真は、上の露頭の裏側を東から撮ったものです。こちらにも級化層理が見えます。
地質図において、砂岩層が露出している×地点は黄色(Mss)の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。南にはメランジュからなる地層(Mmx)が広く分布しています。
なお、一部の写真は「長良川沿いの砂岩・泥岩その2」で掲載した写真を使用しました。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。