前回の「長良川本流沿い露頭編その39」で紹介した甌穴露頭の数m北に、層状チャートの層理面(チャートの堆積面)が水平に近い状態で露出しています。
https://minotigaku.com/riverside/nagaragawa/nagara-39/
この層状チャートでは、チャート層の間に挟まれる泥岩層はほとんどなく、水平に近い層理面が露出しているため、チャートの堆積面の様子が見られます。
層理面の表面には高さ5mmほどの線状の凸凹模様がいくつもあります。その線状の高さ5mmほどの出っ張りは何本もあり、ほぼ平行に並んでいます。そして、その線と線は数cmの幅で、細かい波のような模様をつくり出しています。この模様は水に動きがあるためにできる漣痕と思われます。
下の写真は漣痕に近づいて撮ったものです。複数の平行な線状の凸凹は、見た目西北西-東南東~北西-南東を向いています。スケールは約20cmです。
この痕跡が見られるのは、東西に約3m、南北に1.3m~1.7mの範囲です。写真に写っている黄色のスケール(折尺)は1mです。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
地質図において、この露頭が見られる×地点は灰色(Mmx)が占めていて、メランジュからなる地層です。メランジュは、黒色の泥岩の中に砂岩やチャートなどの大小さまざまな岩塊が入った地質体です。そのため、この露頭はチャートの大きな岩塊の一部だと思われます。
(地質図はHP「ジオランドぎふ」より)