地層や岩石がある面を境にずれ動いた場合、その食い違いが生じた面を断層面といいます。
その断層面の両側の岩石が緻密で硬い場合は、断層面の摩擦のため磨かれたようになります。これを鏡肌(スリッケンサイド)といいます。
岐阜県美濃地方で有名なのは、県の天然記念物になっている岐阜市の鏡岩です。
https://www.pref.gifu.lg.jp/page/4769.html
千鳥橋と藍川橋の間(長良川右岸堤防道路)にあるトンネルの北にあります。チャート内の断層によって、チャートが平らに磨かれたようになっています。下河和下の長良川沿いで見られる鏡肌もチャートでできています。
この露頭の場所は、前回長良川本流沿い露頭編25で紹介したチャートと砂岩の境界の露頭から北へ35mほど進んだところにあります。
層状チャートは、暗青灰色をした5cm~10cmの厚さのチャート層の間に、灰色の5mm~1cmほどの厚さの泥岩がはさまっています。鏡肌は幅が230cmほど、高さは30cm~80cm、北北東-南南西を向いて、75度の傾きです。
写真は北上から撮ったもので、黄色のスケールは約20cmです。
周辺の地質図はこちらです。この露頭が見られる×地点はオレンジ色(Mch)で、おもにチャートからなる地層です。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)
左岸を通ると、鏡肌は足元から下に見えます。下の写真は鏡肌に近づいて北から撮ったもので、写っている黄色のスケールは50cmです。
昨日の記事はこちら。