前回長良川本流沿い露頭編その140で紹介した石英斑岩の露頭から北(上流方向)へ40mほど進むと、河床に砂岩層が広く露出しています。
さらに、北へ70mほど進むと、砂岩層が突き出た状態で露出し、その北側には石英斑岩が分布しているのが見られます。
写真は砂岩層と石英斑岩が接している露頭を北からパノラマで撮ったものです。
ここでは、砂岩層が突き出た状態(高さ2m~2.5m)で露出していますが、石英斑岩と接している境界部もしくはその近辺のため、熱変成によって硬くなり、浸食を受けにくく残っていると考えられます。
写真は、砂岩と石英斑岩の境界部付近を西から撮ったもの(中上の写真の右側から撮影)で、ハンマーの置いてある左側は石英斑岩(白っぽい岩石)で、右側1/3は砂岩(黒っぽい岩石)です。
スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。
石英斑岩には、ほぼ南北を軸として西に傾いた面で割れ目(節理)があります。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
石英斑岩は、全体的には淡褐灰色~淡灰色(緑灰色をしている部分もあり)をしていて、肉眼で見る限り、1mm~5mm径の石英、カリ長石が点在しているのがわかります。
下の写真は石英斑岩の表面を接写したもので、写真の縦は4cmです。
地質図において、石英斑岩は濃いピンク色(Okg)、砂岩層は黄色(Mss)で表現されていますので、この露頭が見られる×地点は、位置的には少しずれていますが、濃いピンク色と黄色が接しているところだと思います。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)