八幡町五町対岸(右岸)の石英斑岩とそれを貫く貫入岩【長良川本流沿い露頭編138】

今日は、郡上市八幡町報徳橋下流の右岸で見られる石英斑岩とそれを貫く貫入岩の露頭を紹介します。前回の長良川本流沿い露頭編その137で紹介した石英斑岩の露頭の対岸です。

この露頭の石英斑岩は、対岸の石英斑岩と同じものですが、全体的には淡灰色で、1mm前後の石英と1mm~2mm径のカリ長石が点在しています。

その石英斑岩を貫いている貫入岩は、全体的には青灰色で、1mm前後の斜長石が少ないですが点在していて、肉眼では安山岩質だと思われます。

郡上市八幡町報徳橋下流右岸露頭

真ん中の灰色の岩石が貫入岩で、その左側が石英斑岩、右側が砂岩層(美濃帯堆積岩類)です。石英斑岩は横方向に割れ目(節理)が発達しています。砂岩層には、部分的に砂岩泥岩互層も見られます。砂岩層に石英斑岩が貫入し、その境界部に安山岩質の貫入岩が入り込んでいると思われます。

この貫入岩の幅は露頭で見る限り4mほどです。同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

地質図において、この露頭(×地点)は濃いピンク色(Okg)の中にあり、濃いピンク色は奥美濃酸性岩類の岩脈で、美濃帯堆積岩類を貫入している岩石です。石英斑岩が濃いピンク色で示されていますが、それを貫いている貫入岩は規模が小さいため地質図には表現されていません。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

下の写真は、石英斑岩と貫入岩の境界付近を近づいて南東から撮ったもので、左側が石英斑岩で、右側が貫入岩です。

最後の写真は貫入岩を接写したもので、写真の縦は10cmです。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

目次