八幡町法伝橋上流左岸の混在岩と貫入岩【長良川本流沿い露頭編126】

八幡町相生の法伝橋の北東角から、国道156号沿いの歩道を110mほど北へ進むと、個人商店の駐車場の表示があります。そこからコンクリートの階段を下り、コンクリートの上を歩いて南へ進み、また階段を下ります。河原へ下りたら、上流へ向かいます。法伝橋から250mほど上流へ進んだところに、貫入岩が入った混在岩の露頭があります。

写真は貫入岩が入った混在岩の露頭を南西からパノラマで撮ったものです。貫入岩は暗緑灰色をしていて、幅が170cm~180cmほどあります。

郡上市八幡町吉野千虎の南の左岸露頭(八幡町相生中山の対岸)

地質図によると、法伝橋の北側(上流側)には灰色(Mms)が分布し、ところどころに黄色(Mss)の不連続のものが分布しています。灰色はメランジュからなる地層で、黄色はおもに砂岩からなる地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

メランジュは、海洋プレートに載って運ばれた堆積物が大陸の縁に付加した付加体堆積物に特徴的な地質体です。そのメランジュの特徴的な岩石が混在岩で、基質となる泥岩の中に大小さまざまな砂岩やチャートなどの礫(岩塊)が入っています。

ここの混在岩は、黒色の泥岩中に、おもに数cm~10数cm径の砂岩チャートの礫が入っています。全体的には砂岩の礫が多いです。

また、チャートの礫は砂岩の礫より大きいものが多く、レンズ状になっているものもあります。チャートの大きなものは長径が2m近い礫もあります。

スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

また、よく見ると、基質の泥岩は一定方向に割れ目があります。斑晶(中に入っている結晶)は1mm以下で、肉眼では斜長石が確認できます。

下の写真は貫入岩の表面を接写したもので、写真の縦は3cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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