長良川本流沿い露頭編11で紹介した美濃市立花の露頭の対岸(美濃市保木脇)にも、メランジュの露頭が見られます。
メランジュは、海洋のプレートの上に堆積したものが、陸側のプレートの下にもぐりこむ際、はぎ取られ混ざり合いながら陸側のプレートにくっついていく場合の特徴的な地質体です。
地質としての連続性がなく、細粒の泥岩などの基質の中にいろいろな大きさや種類からなる岩塊を含みます。
美濃帯堆積岩類におけるメランジュも、泥岩の基質中に様々な種類(玄武岩・石灰岩・チャート・珪質泥岩・砂岩など)や様々な大きさの礫、岩塊を含みます。
この露頭では、基質である泥岩が数m径の玄武岩の岩塊を含むとともに、珪質粘土岩と砂岩の間に入り込んでいるという状況が確認できます。また、北へ40mほど離れた露頭では、石灰岩の岩塊と石灰岩質の角礫岩が見られます。
写真は、玄武岩と基質の泥岩が接触している部分を近づいて撮ったものです。位置は、上の写真の「泥岩」と表記してあるところです。
下の写真は、北(上流)へ40mほど進んだ東露頭を西から撮ったものです。左側には石灰岩が角礫となって固結している石灰岩質角礫岩、右側には石灰岩の岩塊があります。
下の写真は、中下の写真の中央部を同じく西から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。
対岸のメランジュと同様に、砂岩層とチャート層の間に断層で挟まれて分布し、地質図には表現できる厚さのものではないため表現されていません。×地点の北東に分布する黄色(Mss)はおもに砂岩からなる地層で、南西に分布するオレンジ色(Mch)はおもにチャートからなる地層です。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)