前回長良川本流沿い露頭編その107で紹介した枕状溶岩(玄武岩質溶岩)の露頭から東へ40mほどのところに、層状チャートの中に黒色のチャート層(または黒色の珪質泥岩層)が縞状に入っている露頭が見られます。

層状チャートは、淡緑灰色~青灰色をした数cm~10cm厚のチャート層の間に、数mm厚の薄い泥岩層がはさまっています。はさまっている泥岩層は灰色と思われますが、酸化のため褐灰色になっている部分が多いです。

一方、黒色チャート層は5cm~20cmの厚さで、間に灰色をした数mmの厚さの泥岩層をはさんでいるものもあります。

写真では灰色に見える層状チャートに、縞模様の黒色チャートが入っているのがわかります。黒色チャート層は、見かけ上一つの層のものもありますが、間に灰色の薄い泥岩層をはさんで2~3つの層が重なっているものもあります。
チャートには、白色、灰色、黒色、赤褐色、うすい緑色などいろいろな色のものがあります。
この色の変化は、チャートが堆積した海洋環境の変化を表していると考えられています。
特に、暗灰色や黒色のチャートは還元状態で堆積し、硫化鉄(主に黄鉄鉱)や炭素化合物などの酸素の乏しい場所でできた物質を含んでいるようです。
地質図において、この露頭(×地点)の周辺は緑色(Mbs)の中にオレンジ色(Mch)のブロック状のものが不連続に分布している場所です。×地点は、その不連続に分布しているオレンジ色の中にあります。緑色はおもに玄武岩質火山岩類からなる地層で、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

こちらでも、チャートの様々な色が見られる露頭を紹介しています。
