硬さの違い【長良川沿いのチャート層7】

チャートは、ガラス質の殻をもった放散虫などの微生物からなっているため、硬い岩石です。

そのため、風化や浸食がしにくいという特徴をもっています。

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チャート層と砂岩層、または泥岩層が隣接している場合、チャート層は侵食されにくく、砂岩層泥岩層は侵食されやすく、露出の違いが明確になっている場合があります。

各務原市と関市の境界部は山地が東西に分布していますが、主にチャート層と砂岩層からなっているため、地形的にチャート層からなる山はやや高く、砂岩層からなる山はやや低いという特徴が見られます。

このような侵食の違いを差別侵食と呼びますが、長良川沿いにもチャート層と泥岩層が隣接しており、侵食の違いが明瞭な場所があります。

国道156号線を美濃市の市街地から北上し、新立花橋の手前にある新部の交差点から右折して県道324号白山美濃線を進むと、600mほどのところに恵通谷と呼ばれる支谷が長良川に流れ込んでいます。
その手前のガードレールに「亀石」という表示がありますので、そこから川へ降り、東の方へ進むとチャート層と泥岩層が隣接して露出しています。

チャート層は数mの高さで露出しているのに比べて、泥岩層はほとんど平らで露出しています。

写真は二種類とも、上部のそびえ立っているのがチャートで、下部が泥岩層です。

今回も立体感を味わってもらうべく、立体視写真を載せています。それぞれ同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある左の●と右の●を重ね合わせるように見ると立体的に見えます。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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