大和町上万場鉄塔北東の砂岩【長良川本流沿い露頭編165】

郡上市大和町上万場地区で長良川の方(北東)を望むと、長良川沿いに鉄塔があります。その鉄塔を目指して、車を進め、鉄塔の近くの堤防沿いに車を止めます。その鉄塔の北東にあたる長良川右岸に突出した砂岩層の露頭があります。

郡上市大和町万場上万場の右岸露頭(上万場地区の長良川沿いにある鉄塔の北東)

写真は砂岩層の露頭を北東からパノラマで撮ったもので、露頭のうしろに写っているのが鉄塔です。

美濃帯堆積岩類中の砂岩層は、陸地側から泥などと一緒に供給された砂が、海洋プレートにのって運ばれてきた玄武岩質火山岩類、石灰岩、チャート、珪質泥岩などと混在し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加したものです。

ここの砂岩層は、灰色~暗灰色をした粗粒~中粒砂からなる砂岩層で、おもに数mm~1cmの細長い角礫状の泥質岩片が点在する部分があります。泥質岩片の中で大きなものは、7cm×1.5cmです。

下の写真は同じような写真が左右に並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

地質図において、この砂岩層の露頭(×地点)は、河原沿いのため白色(a)の第四紀堆積物の中にありますが、周辺は黄色(Mss)が分布しています。黄色はおもに砂岩からなる地層です。白色(a)やうす空色(a2)の下には、黄色(Mss)の砂岩層が広く分布しています。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

下の写真は、砂岩層の中に泥質岩片が多く入っている部分を接写したもので、写真の縦は5cmです。下の写真は、同じ露頭を南東から(左側から)撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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