万場橋下流・上剣鉄橋上流の砂岩層【長良川本流沿い露頭編160】

大和町中剣に万場橋があります。

その100mほど下流の左岸河床に砂岩層が露出しているので紹介します。写真は露頭を東からパノラマで撮ったものです。

郡上市大和町剣中剣万場橋下流100mほど左岸河床露頭

灰色~暗青灰色をしたおもに中粒砂からなる砂岩層で、5mm以下の泥質岩片が点在しています。

次の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。写真の黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

砂岩層は、河川によって陸地から海洋へ運ばれた砂がもとになっています。海洋で噴出した玄武岩質火山岩類や、海洋で堆積した石灰岩、チャート、珪質泥岩などは海洋プレートにのって陸地側へ移動し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加しました。

そして、陸地から海洋へ運ばれた砂(砂層)なども一緒に付加しました。そのため、美濃帯堆積岩類の中では、砂岩(泥岩も含む)が一番新しい堆積物となっています。

下の写真は砂岩層の風化面を北東から接写したもので、写真の縦は3.5cmです。

上記で紹介した露頭から上流へ進むと、大和町上剣に長良川鉄道の橋梁がありますが、その100m強上流の左岸側にも砂岩層が露出しています。南北10mほど、東西7mほど、高さ4mほどの露頭です。

下の写真は露頭を東からパノラマで撮ったものです。写真の左側に長良川鉄道の橋梁が写っています。

大和町剣上剣長良川鉄道橋梁上流100m強左岸河床露頭

下の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。

写真はありませんが、数10m北にも突出した砂岩の露頭が見られます。淡灰色をしたおもに中粒砂からなる砂岩層で、5mm以下の泥質岩片が点在もしくは多く入る部分があります。岩片の径が1cmを超えるものもあります。

地質図において、大和町中剣万場橋下流の砂岩層(黒の×地点)、大和町上剣鉄橋上流の砂岩層(赤の×地点)は、両方とも黄色(Mss)の中にあります。黄色はおもに砂岩からなる地層です。

(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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