大和町森の砂岩泥岩互層【長良川本流沿い露頭編153】

国道156号を北進し、郡上市大和町に入りしばらくすると、東海北陸自動車道をくぐります。そこから650mほど進むと、「ぎふ大和IC東」の交差点があります。左折すると、100mも行かないところに橋(西河橋)がありますので、踏切を渡って橋の手前を右折し北へ進みます。500mほど進んだところに、川へ下りる階段があります。近くに車を止め、階段を下ります。階段を下りたところに、砂岩泥岩互層の露頭が広がっています。

写真は砂岩泥岩互層の露頭を南東からパノラマで撮ったものです。

郡上市大和町河辺森の左岸露頭

ここの砂岩泥岩互層は、北西-南東を軸として、ほぼ垂直に立っています。砂岩層は中粒砂~細粒砂からなっていて、淡灰色~暗灰色をしています。一方、泥岩層は暗灰色~黒色をしています。

同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

砂岩泥岩互層は、チャートなど海洋の堆積物とは異なり、陸地から運ばれた砂や泥がもとになっています。浅い海底に堆積した砂や泥がより深い海底へ混ざり合って流れ込む(混濁流と呼びます)ことによってでき、基本的には粒子の粗い砂が下方に、粒子の細かい泥が上方に堆積し、その堆積が繰り返されることによって砂と泥が交互に堆積しているように(縞模様のように)見えるのです。

下の写真は、上の写真に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。灰色は砂岩層で、暗灰色は泥岩層です。

下の写真は、上の写真に写っているハンマーの左下を近づいて撮ったものです。写真の中央右に縦にある砂岩層(右側)と泥岩層(左側)の境界は明確で、境界の左側が堆積してから、その後境界の右側が堆積したと考えられます。地層(砂岩泥岩互層)が水平でなく垂直に近いですが、堆積時は写真の左側が下で、右側が上であると考えられます。

下の写真は、同じ露頭を北東から(右側から)撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。

地質図において、この砂岩泥岩互層の露頭(×地点)は、黄色(Mss)の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。

(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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