国道156号を北進し、郡上市八幡町に入ります。「八幡I.C口」交差点を越え、800mほどを左折し、しばらくすると報徳橋があります。
報徳橋の近くに車を止め、報徳橋の手前(東)を南に進むと、河原(左岸側)へ下りることができます。
写真は石英斑岩の露頭を西からパノラマで撮ったものです。
河原へ下りると石英斑岩が露出しています。
花崗岩質のマグマが他の岩石に貫入した岩石を花崗斑岩と呼ぶのですが、見かけ上、斑晶である石英の自形結晶(独自の形をした結晶の粒)が目立つものを石英斑岩と呼びます。
一般的に、石英斑岩は花崗斑岩と比べると斑晶が少なく、白い長石の斑晶が目立たないことが多いです。ここの石英斑岩は、斑晶(肉眼で見える鉱物の自形結晶)は全体的に少なく、1mm前後の石英やカリ長石の斑晶が点在しています。
下の写真は、砂岩と石英斑岩の境界付近を西から撮ったもので、シャープペンシルが置いてある左側の灰色の部分は砂岩で、右側の淡褐色の部分は石英斑岩です。
写真は同じ露頭を南から撮ったもので、写っている橋が報徳橋です。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さは、それぞれ約28cm、約14cmです。
同じような写真が横に並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
下の写真は石英斑岩を接写したもので、ガラスっぽく見える1~2mmの大きさの鉱物が石英です。写真の縦は4cmです。
地質図において、この石英斑岩の露頭(×地点)は、広く分布する黄色(Mss)中にそら色(Msi)と濃いピンク色(Okg)が入り込んでいる付近にあります。正しくは、濃いピンク色の中にあります。濃いピンク色は奥美濃酸性岩類の岩脈で、美濃帯堆積岩類に貫入している岩石です。黄色はおもに砂岩からなる地層で、そら色は珪質泥岩からなる地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)