八幡町五町左岸の砂岩層【長良川本流沿い露頭編136】

地質図を見ると、郡上八幡駅付近から北方の八幡町有坂にかけて、広く砂岩層が分布していて、その中にチャート珪質泥岩貫入岩が部分的に存在していることがわかります。

黄色(Mss)は主に砂岩からなる地層を表しています。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

八幡町五町に架かっている報徳橋の下流(南)へ200mほどの左岸に、砂岩層が露出しています。

郡上市八幡町五町の左岸露頭(報徳橋の下流(南)へ200mほどの左岸)

美濃帯堆積岩類中の砂岩層は、河川によって陸地から海洋へ運ばれたがもとになっています。

海洋で噴出した玄武岩質火山岩類や、海洋で堆積した石灰岩、チャート、珪質泥岩などが、海洋プレートにのって陸地側へ移動し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加する際に、海洋へ運ばれた砂(砂層)も一緒に付加しました。そして、その砂(砂層)が固結し、美濃帯堆積岩類中の砂岩層となったのです。

ここで見られる砂岩層は、粗粒~中粒の砂粒からできていて、全体的には青灰色です。また、割れ目が多くあり、ややブロック状になっています。ただし、表面は風化していて、コケ類などが生えているため、ハンマーなどで割らないと砂岩であることを確認するのは難しいです。

スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。ハンマーの位置が見にくいですが、上の写真でいくと中央の左に写っています。それぞれの写真の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

下の写真は砂岩層のやや風化した面を接写したもので、写真の縦は2.5cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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