八幡町勝更の南のチャート層・甌穴【長良川本流沿い露頭編135】

東海北陸自動車道郡上八幡出口から料金所へつながる道路が長良川を渡っています。その長良川を渡る橋梁と県道61号大和美並線の交差地点から、下流方向(南)へ300mほどの長良川右岸にチャート層が露出しています。県道61号において、橋梁との交差地点の南15mほどに駐車スペースがあります。タイヤ販売店の向いです。その近辺から階段またはスロープで河原へ下り、下流方向(南)へ300m弱歩くと露頭があります。

郡上市八幡町有坂勝更の南右岸露頭(高速道郡上八幡出口から料金所へつながる道路の長良川橋梁から下流へ300mほど)

ここの露頭のチャートは、層状チャートですが、層厚は一定でなくやや波をうっている状態です。

暗青灰色~淡青灰色をした数cm~10cm厚のチャート層に、灰色(酸化のため褐灰色の部分が多い)をした数mm~1cm厚の泥岩層がはさまっています。

また、砂や礫で埋まって深さはわかりませんが、直径が3.1mほどの甌穴が見られます。甌穴は、上流から運ばれてきた岩石が岩盤の表面にある割れ目などに引っかかり、強い水の流れの中でその岩石が回転し、ドリルのように岩盤に穴をあけたものです。甌穴は河床の岩盤が硬く(チャートでなくても)、激しい水の流れがあるところであれば見られます。

写真が四種類ありますが、上の写真は層状チャートを西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。

写真の右下角に写っているのが甌穴です。

中下の写真は、層状チャートがわかる場所を北東から撮ったものです。

下の写真は甌穴を西から撮ったもので、スケールは写っていませんが甌穴の直径は約3.1mです。

スケールとして置いてある折れ尺、黄色の定規の長さは、それぞれ1m、約20cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

地質図において、このチャートの露頭(×地点)は、オレンジ色(Mch)と黄色(Mss)との境界に近いオレンジ色の中にあります。オレンジ色はおもにチャートからなる地層で、黄色はおもに砂岩からなる地層です。一般的にチャート層と砂岩層が隣り合って分布している場合、チャート層の方が浸食を受けにくいため、チャートだけが露出していることがあります。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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