八幡町名津佐の混在岩と黒色チャート【長良川本流沿い露頭編114】

国道156号を北進すると、美並町と八幡町の境界部はトンネル(名津佐トンネル)内で通り過ぎます。名津佐トンネルを抜けて、200m強進むと国道の左側に駐車スペースがあります。車を止め、徒歩で30mほど戻ると河原へ下りる道があります。河原へ下り、上流方向へしばらく進むと、河床に黒っぽい露頭があります。

郡上市八幡町吉野名津佐左岸河床露頭

ここでは、混在岩と黒色の層状チャートが接している露頭が見られます。混在岩は、黒色泥岩の中に、おもに数cm~10数cm径の暗灰色~黒色をしたチャートが入っています。

基質となる黒色泥岩は、一定方向の割れ目が入っています。

また、層状チャートは、黒色をした数cm~5cmの厚さのチャート層に、暗灰色~黒色をした数mmの厚さの泥岩層がはさまれています。混在岩と黒色チャートが接しているところでは、破砕されたチャートが見られる部分もあります。

写真は混在岩と黒色チャートが接している露頭を西から撮ったもので、ハンマーのグリップより上は混在岩で、下はチャートです。

この露頭の北北西方向に6mほど離れたところには、南北に20mほど、東西に7mほどある黒色の層状チャートが露出しています。暗灰色~黒色をした1cm~8cmの厚さのチャート層に、灰色をした数mm~1cmの厚さの泥岩層をはさんでいます。黒色の層状チャート内のチャート層と泥岩層は、層の横方向に厚さの変化があります。特に、チャート層はレンズ状になっている部分があります。

写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの右側の混在岩を近づいて撮ったものです。灰色の礫はチャートで、基質の部分は黒色の泥岩です。

下の写真は、上の写真に写っている露頭の北北西にある黒色の層状チャートを東からパノラマで撮ったものです。

下の写真は、中下の写真の中央部を近づいて撮ったもので、ハンマーの位置は同じです。チャート層は層として一定の厚さではなく、断面はややレンズ状になっています。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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