美並町赤池の層状チャートと珪質粘土岩【長良川本流沿い露頭編89】

地質図によると、この露頭(×地点)がある赤池集落周辺は、灰色(Mmx)であるメランジュからなる地層が広く分布しています。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

前回長良川本流沿い露頭編その88の露頭や、×地点の南へ50m強のところでは、泥岩の中に大小の砂岩やチャートの岩塊が入っている混在岩の露頭が見られます。

混在岩はメランジュを構成する主な岩石です。

郡上市美並町山田赤池右岸河床露頭(赤池駅の東の長良川鉄道橋梁下流200m弱右岸)

この露頭は層状チャート珪質粘土岩からなっていますので、メランジュ中の巨大な岩塊だと思われます。

層状チャートは、青灰色~淡青灰色をした数cm~8cmの厚さのチャート層に、淡緑灰色をした5mm~数cmの厚さの泥岩層がはさまれています。

下の写真のハンマーの周辺は珪質粘土岩で、上部および左側にかけて層状チャートが分布しています。

同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

また、ここの層状チャートは、チャート層がブロック状になっている部分があります。珪質粘土岩は、淡灰色~淡青灰色の粘土岩に、数mm~2cm幅の細長いレンズ状の黒色珪質泥岩を多くはさんでいます。

下の写真は、珪質粘土岩(下側)と層状チャート(上側)の境界部を撮ったものです。層状チャートのはさんでいる泥岩層が厚く、チャート層がブロック状になっています。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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