美濃市上河和の珪質泥岩層【長良川本流沿い露頭編41】

美濃市上河和の長良川左岸において、河戸谷の西の支流の合流部付近から神母橋にかけて、メランジュが分布しています。

美濃市上河和左岸露頭(神母橋下流200mほど)

メランジュは、砂岩やチャートなどの大小の岩塊(大きい岩塊は数100m以上のオーダーのものもあります)の間を、黒色の泥岩が埋めている地質体です。

そのため、メランジュが分布している神母橋の下流側では、混在岩・チャート・珪質粘土岩・珪質泥岩などが見られます。

神母橋の下流200mほどの左岸には珪質泥岩層が見られます。

露頭は灰色~暗青灰色で、葉理(層の中の構成粒子や粒径の違いで見られる層状の配列)が発達しています。写真はハンマーの頭部の左少し離れた部分を近づいて北東から撮ったものです。横方向に葉理面と思われる堆積面の断面が見られます。

下の写真は、上の写真の露頭から北へ数m離れたところにある露頭を南から撮ったものです。この露頭も珪質泥岩層です。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。

同じような写真が横に2枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

地質図において、珪質泥岩層が見られる×地点は灰色(Mmx)が分布し、上述したようにメランジュからなる地層です。つまり、この珪質泥岩層はメランジュ中の巨大な岩塊です。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)

前回は漣痕を紹介しています。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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