美濃市上河和大橋上流の貫入岩【長良川本流沿い露頭編36】

美濃市の上河和大橋の上流にかけて、砂岩層が分布します。

上河和大橋を長良川上流へ進むと川が大きく曲流しているのがわかります。大きく曲流している部分の内側(右岸)に、砂岩層中に貫入岩が入っている露頭があります。

写真は、貫入岩の露頭を北東から撮ったものです。

場所は、上河和大橋から250mほど上流です。対岸(左岸)の河戸谷の合流部近くの道路(県道324号)から見ても、灰色の岩石中に淡褐灰色(赤っぽい)の筋が入った露頭を確認できます。

この露頭は、灰色の砂岩層中に数10cm幅の淡褐灰色をした貫入岩が直線的に入っていて、違う岩石が入り込んでいることがわかりやすい露頭です。

貫入岩は割ってみると淡灰色で、斑晶(鉱物の結晶)がわかりにくく、1mm以下の石英が確認できる程度です。

岩石名は珪長岩(フェルサイト)だと思いますが、顕微鏡などで鉱物を確認しているわけではないため、ここでは貫入岩としておきます。

地質図において、この露頭を×印で示しています。ここ周辺は、黄色(Mss)であるおもに砂岩からなる地層が分布しています。貫入岩は規模が大きくないため、この地質図には表現されていません。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)

表面が淡褐灰色をした貫入岩が2本見られますが、左側は幅約25cmで、右側は幅15cm~40cmで、いずれも北東-南西に延びでいます。上の写真は露頭の中央部を撮ったもので、下の写真は反対の南西から撮ったものです。

スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。

下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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