褶曲したチャート層【津保川沿いの岩石7】

今回は、曲がったチャートを紹介します。

県道58号線を北進し、関市武儀事務所まで進みます。県道58号は北東へ進みますが、津保川は北から流れてきます。津保川沿い(右岸)を通るのは県道63号になりますが、急に山がせまってくる感覚なります。一方、県道58号をそのまま北進すると橋(若栗橋)を渡った後、左側には農協と中濃消防組合武儀出張所、右側には福祉センターがあり、道路の周辺は開けた感じで、東へ進みます。

この景観の違いは、分布する岩石の違いによるものです。津保川沿いの県道63号沿いにはしばらくチャート層が分布し、県道58号沿いは砂岩が分布しています。

チャートは、ガラス質の殻をもった放散虫などの微生物からなっていて、硬い岩石です。そのため、チャート層と砂岩層が隣接して分布していると、チャート層は侵食されにくく、地形は険しくなり、一方砂岩層は侵食されやすく、地形はなだらかになるという違いが出てくる場合があります。

関市中之保若栗:チャート層

ここ(関市中之保若栗の津保川沿い)で見られるチャート層は、幅数cm~10cmほどの青灰色をしたチャートの間に、数mm~1cmほどの灰色の泥岩が挟まっています。層内褶曲と呼ばれる、上下の褶曲していない層の間にはさまれた地層にだけ褶曲している部分も見ることができます。

前述のように県道58号の若栗橋を渡った後、左側を見ると農協と消防署がありますが、その間の道を歩いて消防署から西へ120m進むと、左側(南側)に道があります。そこを左折して、津保川の方向へ進むと川原へ下りることができます。

下りてから左岸を上流に進むと、河床にチャート層が露出しています。下の写真中央近くのチャート層が曲がっているのがわかるでしょうか?これを褶曲(しゅうきょく)していると言ったりします。

同じような写真が2枚並んでいますが、下の白丸を重ね合わせるように見ると立体的に見ることができ、チャートが褶曲しているのがよりわかりやすいと思います。

下の写真は同じチャート層を南から撮ったものです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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