美並町勝原左岸の混在岩と花崗斑岩【長良川本流沿い露頭編65】

国道156号を美濃市から北上し、「道の駅美並」を越えて1.7kmほど進んだところに子宝の湯の表示板があります。そこを右折すると、赤い勝原橋が見えます。

郡上市美並町大原勝原左岸露頭(長良川鉄道鉄橋と勝原橋との間)

勝原橋から南東を望んだのが下の写真です。長良川鉄道の鉄橋との間に、黒っぽい混在岩と白っぽい花崗斑岩が見えます。

写真は勝原橋(赤い橋)から南東を眺めて撮ったもので、鉄橋の橋脚近くは混在岩で、その手前に花崗斑岩があります。写真には写っていませんが、勝原橋の近くにも黒っぽい混在岩が露出しています。

混在岩は、メランジュからなる地層中に特徴的な岩石で、基質である黒っぽい泥岩の中に砂岩やチャートなどのさまざまな大きさの礫(岩塊)が入っています。

この露頭では、暗灰色~黒色の泥岩の中にさまざまの大きさの砂岩の礫(岩塊)が入っています。大きいものとしては、4m×1.5m×1.5mほどの砂岩も入っています。花崗斑岩は1mmほどの長石が点在し、石英も少し見えます。

下の写真は上の写真に写っている混在岩を南から撮ったもので、真中の写真は混在岩を同じく南から近づいて撮ったものです。黒っぽいのが基質部分の泥岩で、灰色の礫が砂岩です。

下の写真は、花崗斑岩を接写したもので、写真の縦は約6cmです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。

地質図において、この露頭がある×地点周辺には灰色(Mmx)が分布します。灰色は、メランジュからなる地層です。露頭としては花崗斑岩が存在しますが、規模的には大きくないため、地質図には表現されていません。

前回の記事はこちら。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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