長良川沿いの玄武岩質溶岩その3で紹介した美濃市と郡上市の境界付近(高速道の橋梁から西へ100m強の場所)の玄武岩質溶岩の水冷破砕を再度紹介します。
玄武岩質溶岩が水中で噴出したり、陸上で噴出しても流れて水と接触したりすると、急冷し、ばらばらに破砕されることがあります。それが固結すると、角礫状の玄武岩がいっぱい集まった岩石となります。
このように、マグマが急冷し破砕してできた岩片が主体となった岩石をハイアロクラスタイトと呼びます。
ここの露頭では、数cm~15cm径の玄武岩質溶岩の角礫が多く入った岩石(ハイアロクラスタイト)が見られます。角礫で大きいものは、20cm~40cm径のものもあります。
写真は水冷破砕の玄武岩質溶岩が見られる露頭を南西から撮ったものです。
下の写真は、上の写真に写っているハンマーの周辺を近づいて撮ったものです。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
下の写真は、上の写真のハンマーの頭部の位置から右へ70cm~80cmのところを近づいて撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。
地質図において、水冷破砕の玄武岩質溶岩が見られる露頭(×地点)は緑色(Mbs)の中にあって、それは緑色岩(玄武岩質火山岩類)からなる地層です。地質図を見る限り、灰色(Mmx)であるメランジュからなる地層の中に小規模に分布しています。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)