水冷破砕でできたハイアロクラスタイト【長良川本流沿い露頭編47】

美濃市と郡上市美並町の境界付近左岸露頭(国道156号沿いの境界表示板の対岸)

長良川沿いの玄武岩質溶岩その3で紹介した美濃市と郡上市の境界付近(高速道の橋梁から西へ100m強の場所)の玄武岩質溶岩の水冷破砕を再度紹介します。

あわせて読みたい
玄武岩質溶岩が急冷すると【長良川沿いの玄武岩質溶岩3】 玄武岩質溶岩が急冷すると、ばらばらになってしまうことがあります。 それが固結すると、小さな角礫状の玄武岩がいっぱい集まった岩石をつくります。「枕状溶岩」の周辺...

玄武岩質溶岩が水中で噴出したり、陸上で噴出しても流れて水と接触したりすると、急冷し、ばらばらに破砕されることがあります。それが固結すると、角礫状の玄武岩がいっぱい集まった岩石となります。

このように、マグマが急冷し破砕してできた岩片が主体となった岩石をハイアロクラスタイトと呼びます。

ここの露頭では、数cm~15cm径の玄武岩質溶岩の角礫が多く入った岩石(ハイアロクラスタイト)が見られます。角礫で大きいものは、20cm~40cm径のものもあります。

写真は水冷破砕の玄武岩質溶岩が見られる露頭を南西から撮ったものです。

下の写真は、上の写真に写っているハンマーの周辺を近づいて撮ったものです。

同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

下の写真は、上の写真のハンマーの頭部の位置から右へ70cm~80cmのところを近づいて撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。

地質図において、水冷破砕の玄武岩質溶岩が見られる露頭(×地点)は緑色(Mbs)の中にあって、それは緑色岩(玄武岩質火山岩類)からなる地層です。地質図を見る限り、灰色(Mmx)であるメランジュからなる地層の中に小規模に分布しています。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

目次