砂岩層中の石英脈2【長良川本流沿い露頭編34】

美濃市須原にある大規模工場の南東側の長良川右岸には、離れてはいますが2つの塔状の岩石が川原から露出しています。

写真は西側の塔状の露頭を中心にして北から撮ったもので、東側の塔状の露頭が写っています。

長良川右岸にある塔状の露頭

2つの岩塊とも、砂岩中の石英脈からなっています。西側の塔状の露頭は、東西約12m(長良川に沿って)、南北約8m、高さ約5mです。東側の塔状の露頭は少し小さいですが、東西約7m、南北約3m、高さ約4,5mです。この2塊の岩石は、周りと比べて硬いため塔状に残ったと思われます。

同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

下の写真は岩塊に近づいて撮ったもので(上の写真のハンマーの柄の下部あたり)、白い石英脈が入っているのがわかります。

下の写真は、塔状の露頭から東へ7mほど離れたところにあるもう1つの露頭を西から撮ったものです。最初に紹介した塔状の露頭から続いています。写真の中央上部に写っているのが塔状の露頭です。

ほぼ中央に縦に白く写っているのが石英の太い脈で、20cm~30cmの幅があり、中には砂岩などの角礫が入っています。小さい角礫は径が5mm~数cmで、大きい角礫は長径が15cm~50cmで短径が5cm~15cm程度あります。

角礫の入り方の特徴としては、大きい角礫が脈の中央近くにあること、礫の長径が脈の方向に並んでいることです。脈の中は冷え固まるまで流れがあって、外側より内側(中央近く)の流れの方が速かったことを示していると考えられます。

下の写真は、上と同じ露頭を反対側の東から撮ったもので、石英脈が多く入っているのがわかります。上部に写っているのが西側の塔状の露頭です。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cm、上の写真に写っているスケールは1m、真中の写真の黄色のスケールは約20cmです。

地質図において、この露頭が見られる×地点はおもに砂岩でできた地層(黄色(Mss))が分布しています。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)

長良川右岸沿いの砂岩層中では、他にも石英脈が多く入っている様子を見ることができます。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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