長良川本流沿い露頭編28で紹介した玄武岩質溶岩(玄武岩質火山岩類)は、東北東-西南西に分布しています。
洲原神社の南に露出する玄武岩質溶岩の北西600mほどの美濃市下河和の長良川左岸河床でも、玄武岩質溶岩が露出しているのが確認できます。(写真は南西から撮ったもの)
玄武岩質溶岩は、海底などで噴火をして海水に触れると、枕(または米俵)の形をしてそれが積み重なった状態で固まります。その西洋枕状の溶岩を枕状溶岩(ピローラバー)と呼びます。
熱い玄武岩質溶岩は海水などで急冷し、表面だけ固まって殻をつくります。しかし、内部は熱いままなので、殻を破って絞り出されるように流れ、また海水で急冷して殻をつくるということを繰り返します。そのため、見かけ上西洋枕状の形をした溶岩がいくつもできるのです。
下の写真では、長径が10数cmの細長い楕円形をしたものや径が10cm以下の楕円形をしたものをみることができます。これが枕状溶岩です。(スケールとして置いてあるシャープペンシルの長さは約14cm)
下記で紹介している郡上市八幡町浅柄の長良川右岸でも、枕状溶岩をはっきり観察することができます。
周辺の地質図はこちらです。
この露頭のある×地点の周辺は緑色(Mbs)になっており、おもに緑色岩(玄武岩質火山岩類)からできた地層です。また、緑色の中に小規模に分布するそら色(Mlm)はおもに石灰岩からなる地層で、対岸(右岸)の黄色(Mss)はおもに砂岩の地層です。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)
前回の記事はこちらです。石灰岩に残る雨の跡を紹介しています。