大和町寄次の砂岩泥岩互層【長良川本流沿い露頭編154】

郡上市大和町河辺寄次の長良川左岸堤防沿いに大和町浄化センターがあります。浄化センター南の長良川と支流の合流部から北にある橋(釜渕橋)にかけて、ほぼ連続して露頭があります。大和町浄化センター西の階段から河原へ下りて、下流(南東)へ30mほど進んだ左岸河床露頭で砂岩泥岩互層が見られます。

郡上市大和町河辺寄次の左岸河床露頭(大和町中央浄化センターの西の長良川左岸)

砂岩泥岩互層は砂岩と泥岩が交互に堆積している岩石です。陸地から川によって運ばれた砂や泥が、浅い海洋に堆積します。

同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

その後、砂や泥が交じり合った状態でより深い海底へ流れ込む(混濁流と呼びます)と、海洋(水の中)では1回の流れ込みによって粒子の粗い砂が下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。何度も流れ込みが起こることによって、砂と泥が交互に堆積します。

下の写真は、上の写真に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。

このように、砂や泥など混じったものが混濁流となって水中で堆積したものをタービダイトと呼びます。

砂岩泥岩互層は特徴として、堆積時の下部は砂岩層からできていて上部は泥岩層からできています。その砂岩層から泥岩層への変化(下方から上方への変化)は急な変化ではなく、徐々に粒が細かくなります。

しかし、泥岩層の上に載る砂岩層は、違う流れ込みによって堆積したものであるため、泥岩層から砂岩層への変化は急なもので、境界は明瞭です。ここの砂岩泥岩互層の砂岩層は淡灰色~灰色で、泥岩層は暗灰色をしています。

写真は、上の写真のハンマー頭部付近を撮ったものです。写真の下部に写っている砂岩層(淡灰色)から中央上に写っている泥岩層(暗灰色)への変化は除々です(明確な境界はありません)が、その上の砂岩層との境界は明瞭です。

下の写真は、同じ露頭を北東(上の写真の右側)から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さは約28cm、約17cmです。

地質図において、この砂岩泥岩互層の露頭(×地点)は、黄色(Mss)の中にあって、黄色はおもに砂岩からなる地層です。

(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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