大和町熊田の砂岩泥岩互層【長良川本流沿い露頭編151】

国道156号を北進し、郡上市八幡町を越え、大和町に入ります。

八幡町と大和町の境界から約1.8kmのところを左折すると、長良川に架かっている和合橋があります。和合橋の手前を右折する(北へ曲がる)と「郡上偕楽園」という老人ホームがあります。老人ホーム前から河原に下りると、砂岩泥岩互層が長良川左岸に露出しています。

郡上市大和町河辺熊田の左岸露頭(老人ホーム「郡上偕楽園」の西)

和合橋から北にある東海北陸自動車道の橋梁にかけて、長良川の両岸に何ヶ所か岩石が露出していますが、いずれも砂岩層、もしくは砂岩泥岩互層です。

ハンマーの柄より上の白っぽく見えるのは砂岩層で、ハンマーのグリップ部より下の黒っぽく見えるのが砂岩泥岩互層です。

下の写真は、砂岩泥岩互層を同じく南から近づいて撮ったものです。スケールのシャープペンシルの中央あたりに泥岩層(黒色)砂岩層(淡灰色)の境界がありますが、シャープな境界です。

同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。

また、和合橋の上流方向へ25mほどの左岸には、砂岩層の下部から上部に向かって砂の粒径が小さくなっているという級化層理がわかる部分があります。

下の写真は、上の写真とは異なる場所ですが、泥岩と砂岩の境界部を撮ったものです。境界部の近くの砂岩の砂粒は大きく、上に向かって砂粒が小さくなるという級化層理がわかります。写真の縦は7cmです。

砂岩泥岩互層は、砂と泥の混じったものがより深い海底へ流れ込む時、1回の流れ込みによって粗い砂は下に、その上に細かい泥が堆積するという現象が元になっています。その流れ込みが何回も繰り返して起こることによって、砂岩泥岩互層という縞模様の堆積物ができます。そのため、下から層を追っていくと、泥岩の上にシャープな境界で砂岩が堆積し、次第に砂粒が細かくなって連続的な変化で泥岩が堆積し、またシャープな境界で砂岩が載るという堆積になります。

地質図において、この砂岩泥岩互層の露頭(×地点)は、黄色(Mss)の中にあり、黄色はおもに砂岩からなる地層です。

(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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