大和町場皿の砂岩泥岩互層【長良川本流沿い露頭編149】

県道61号大和美並線を郡上市八幡町から大和町に向かって進み、八幡町と大和町の境界を過ぎたあたりの左手に「大和町場皿」の表示板があります。近くに車を止め、長良川の河原に下りると、左岸側河床に何ヶ所も岩石が露出しています。

そこから対岸(長良川左岸)を望むと、国道156号が通っていて、八幡町と大和町の境界の表示板があります。そこから北へ100m強の露頭が、今回紹介する露頭です。

郡上市大和町島場皿の右岸露頭

いずれも砂岩泥岩互層です。

砂岩泥岩互層は、陸地から運ばれた砂や泥が元になっていますが、浅い海底に堆積した砂や泥がより深い海底へ流れ込むことによってできた岩石です。

淡灰色が砂岩層で、やや暗灰色が泥岩層です。

砂と泥が交互に堆積したようにみえるのは、砂と泥が混じったものがより深い海底へ流れ込む(混濁流と呼びます)と、水の中では粒子の粗い砂が下に、その上に粒子の細かい泥が堆積し、それが繰り返されたためです。

下の写真は、同じ露頭の違う部分(上の写真のハンマーから北へ4mほどの位置)を南から撮ったものです。

このような砂や泥など混じったものが混濁流となって水中で堆積したものを、タービダイトと呼びます。ここの砂岩泥岩互層は、灰色~暗灰色をしていて、下方に砂岩、上方に泥岩という1回の堆積の厚さは数cm~15cmです。

スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。

下の写真は、上の写真に写っているハンマーの頭部の左下を近づいて南西から撮ったものです。小さな断層が何本も入り、白っぽい砂岩層や黒っぽい泥岩層がずれているのがわかります。

中上と真中、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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