八幡町島の砂岩泥岩互層【長良川本流沿い露頭編147】

国道156号を八幡町から大和町に向かって北進すると、八幡町瀬取小瀬子に小瀬子会館があり(右側)、そこから39m弱で左手にそら色の橋があります。

そのそら色の橋(中元橋)を渡り右折すると、県道61号大和美並線に入ります。右折したところから50mほどで車を止め、近くに河原に下りる道がありますのでそこを下ります。郡上八幡自然園の東の河原です。上流側に砂岩泥岩互層の露頭があります。

郡上市八幡町島の右岸露頭(郡上八幡自然園前の橋(中元橋)の上流100mほど)

砂岩泥岩互層は、チャートのように陸地から離れた深海底に堆積したものとは異なり、陸地から運ばれた砂や泥が元になっています。陸地から川で運ばれた砂や泥が海底に堆積しますが、より深い海底へ流れ込むことによって、粒子の粗い砂が下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。それが、繰り返されると砂と泥が交互に堆積するという砂泥互層ができます。

1回の流れ込みによってできる下方に砂、上方に泥という堆積は、連続的な粒の大きさの変化です。しかし、その上にのってくる次の流れ込みは、同じように下方に砂、上方に泥という堆積ですので、1回目の流れ込みの泥の上に、急に粒の粗い砂がのります。

そのため、地層が傾いていてもよく観察すると、地層の上下を判定することができるのです。ここの砂岩泥岩互層は、1つの層は数cm~10数cmの厚さで、灰色の砂岩層と暗灰色の泥岩層が縞模様のように交互に堆積しているのがわかります。

下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

淡灰色の砂岩層は凸状で、暗灰色の泥岩層は凹状になっていて、砂岩層と泥岩層では浸食の度合いが違うことがわかります。

下の写真は、砂岩泥岩互層がよくわかるところを近づいて南西から撮ったものです。淡灰色は砂岩層で、暗灰色は泥岩層です。一枚の地層において上方に向かって砂→泥が堆積し、明確な境界をへて砂が堆積しているのがわかります。写真の縦は15cmです。

下の写真は、上で紹介した露頭から南へ6mほど離れたところにある露頭を北東から撮ったものです。こちらも砂岩泥岩互層となっています。

スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。

(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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