郡上市八幡町穀見の左岸河床には、前回長良川本流沿い露頭編その132で紹介した露頭以外にも露頭が見られます。
前回紹介したチャート中に入る石灰岩の露頭の北へ80mほどの左岸、および川の中に黒っぽい露頭がありますので、今回紹介します。
混在岩の露頭で、レンズ状のチャートなどが入っています。
写真は混在岩を南西から撮ったもので、ハンマーの右下部がチャートの岩塊です。

混在岩
混在岩は、美濃帯堆積岩類のような付加体堆積物に特徴的なメランジュを構成する岩石です。
黒色の泥岩を基質として、中に大小さまざまな砂岩やチャートなどの礫(岩塊)を含みます。大きな岩塊は数100m以上のものもあるようです。
この露頭では、黒色、わずかに黒褐色をした泥岩の中に、チャートがレンズ状に入っています。

下の写真は露頭を北から撮ったもので、さらに近づいて中央下部を撮ったものが次の写真です(ハンマーの位置は同じ)。ハンマーの左にあるレンズ状のものがチャートで、あとは混在岩の基質である泥岩です。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。
地質図において、この混在岩の露頭(×地点)は、灰色(Mmx)の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
