八幡町鈴原右岸の層状チャートの褶曲【長良川本流沿い露頭編131】

郡上八幡都市環境センターへ進み、近くに車を止めて、環境センターの南の堤防を通り河原へ下りると、大きな岩(南北に約17m、東西に約22m、高さ約8m)があります。

層状チャートの露頭です。

前回紹介した長良川本流沿い露頭編その130の砂岩泥岩互層から東へ50m弱の場所です。

郡上市八幡町相生鈴原の右岸露頭(国道156号沿い生コン工場の長良川対岸東の露頭)

チャートは、陸地から離れた深海底で、微小な生物(放散虫など)の遺骸が堆積したものがもとになっています。それが、海洋プレートによって運ばれ、大陸の縁(現在の日本列島)に付加したものを現在見ているのです。

本来チャートは深海底で水平方向に堆積していますが、陸地に付加したため、現在はかなり変形した状態で露出しています。

また、チャートを見ると、地層が褶曲していることが多いです。

ここの層状チャートは、淡緑灰色~青緑灰色をした数cm~20cm厚のチャート層の間に、灰色をした数mm厚の泥岩層がはさまっています。

チャート層の層理面が褶曲のため垂直に近く、層理面に沿ってはがれているため、層理面のなめらかな面が見える部分もあります。

下の写真は、同じ露頭を東から撮ったものです。

地質図において、この層状チャートの露頭(×地点)は、オレンジ色(Mch)と黄色(Mss)との境界部近くのオレンジ色の中にあります。オレンジ色はおもにチャートからなる地層で、黄色はおもに砂岩からなる地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

下の写真は露頭の裏を北から撮ったもので、その下の写真は北東から撮ったものです。スケールとして置いてある折れ尺の長さは1mです。

同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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