国道156号を北進し、郡上市八幡町の千虎のドライブインを越えて、カーブを曲がって少しすると左に生コン工場があります。そこを通り過ぎると、長良川対岸に大きな岩がそびえ立っているのが見えます。そして、もう少し東に進むと郡上八幡都市環境センターが見えます。
そびえ立っている岩の西へ50mほどのところに砂岩泥岩互層があります。
対岸の県道61号大和美並線へ回って、郡上八幡都市環境センターへ進み、車を止めます。環境センターの南の堤防を西へ進み、河原へ下りると、対岸から見えた大きな岩(次回に紹介します)があります。その大きな岩からさらに西へ50mほど進むと、今回紹介する砂岩泥岩互層の露頭に着きます。
海底斜面に堆積した砂や泥がより深い海底へ流れ込む際、1回の流れ込みによって粒子が粗い砂は下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。
何回も繰り返して流れ込むと、砂と泥が縞状になって堆積し、それが固結し岩石になったものが砂岩泥岩互層です。
例えば2回の流れ込みがあった場合、下から上方に向かって観察すると、まず砂が堆積し、徐々に粒が細かくなって上方に泥が載ります。そして、明確な境界をもって砂が堆積し、また徐々に粒が細かくなって上方に泥が載るという堆積になります。
そのため、砂と泥の堆積の変化を見れば、堆積時の地層の上下を判定することができます。
ここの露頭では、砂岩層の中に15cm~25cmの厚さの泥岩層が何枚かはさまっているのがわかります。泥岩層は、層理面に沿った割れ目が多く入っています。
下の写真は露頭に近づいて撮ったものです。砂岩層と泥岩層は斜めに傾いています(右上から左下)。ハンマーの左側少し離れたところに泥岩層がありますが、泥岩層の左側は砂岩層と明確に境がありますが、泥岩層の右側は砂岩層との境界がはっきりしません。そのため、この砂岩泥岩互層は左側が上位で、右側が下位だと思われます。
それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。
下の写真は、砂岩層の表面で見やすいところを接写したもので、写真の縦は3cmです。
地質図において、この砂岩泥岩互層の露頭(×地点)は、黄色(Mss)とオレンジ色(Mch)の境界部近くの黄色の中にあります。黄色はおもに砂岩からなる地層で、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)