長良川本流沿い露頭編その100で紹介した枕状溶岩の露頭から北へ12mほどのところに、玄武岩質溶岩の水冷破砕の露頭があります。
玄武岩質溶岩が水中で噴出したり、陸上で噴出しても水と接触したりすると、急冷し、ばらばらに破砕されることがあります。それが固結すると、角礫状の玄武岩がいっぱい集まった岩石となります。
このように、マグマが急冷し破砕してできた岩片が主体となった岩石をハイアロクラスタイトと呼びます。ここの露頭では、数cm~20cm径の玄武岩の角礫が多く入っています。
角礫で大きいものは、縦115cm×横50cmのものも見られます。前回、前々回と同じように、砕石製造所の敷地内を通り(敷地内は立入禁止になっていますので、断ってから入ります)、細い道で河原へ下りて上流側へ進みます。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
地質図において、水冷破砕の玄武岩質溶岩が見られる露頭(×地点)は緑色(Mbs)の中にあります。緑色はおもに玄武岩質火山岩類(緑色岩)からなる地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
下の写真は上の写真のハンマーの左側を近づいて撮ったもので、中央にある玄武岩の角礫は27cm×20cmです。
下の写真はハンマー頭部右側を近づいて撮ったもので、スケールの左にある玄武岩の角礫は18cm×16cmです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。