八幡町穀見左岸のチャート中の石灰岩【長良川本流沿い露頭編132】

国道156号を北進し、郡上市八幡町に入り、八幡町の市街地に近づくと最初のコンビニエントストアーが左手(西側)にあります。その北にガソリンスタンドがありますが、越えてすぐ左に入ると、車を止めることができます。コンビニや北に隣接した工場、およびガソリンスタンドの西側の長良川左岸河床に、岩石が露出しています。コンビニや工場の西側に南北に道があり、階段から川に降りることができます。

水位が高い時は水面下になりますが、南側と北側に露頭があります。

南側はチャート中に入る石灰岩の露頭、北側にはレンズ状のチャートが入っている泥岩層(混在岩)の露頭です。北側の露頭は次回紹介します。

郡上市八幡町稲成穀見の左岸露頭(国道156号沿いガソリンスタンドの裏の南方)

地質図において、このチャート中の石灰岩の露頭(×地点)は、灰色(Mmx)の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。このことから判断すると、チャートは混在岩中の大きな岩塊だと考えられます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)

石灰岩は浅い海で形成し、チャートは深い海で形成します。そして、石灰岩は深い海だと溶けてしまい形成されません。このように石灰岩とチャートは、形成条件が全く違うため、チャート中に石灰岩が入っているように見える産状の形成過程は今でも正確にはわかっていません。

写真は石灰岩とチャートの境界に近づいて撮ったものです。白っぽい不定形のものが石灰岩で、他の灰色~暗灰色をしたものがチャートです。層状チャートの部分(下部)と層状になっていない部分(上部)がありますが、層状チャートの部分は1cm~10cm厚のチャート層に、灰色をした数mm~5mm厚の泥岩層がはさまっています。チャートと石灰岩の境界は明確です。

下の写真は、露頭を東から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さは、それぞれ約28cm、約14cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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