八幡町浅柄~貝付の長良川沿いの両岸には、玄武岩質溶岩が分布していて、何ヶ所かで枕状溶岩が見ることができます。
枕状溶岩は以下のようにして形成されます。
玄武岩質溶岩などの粘性の低いマグマが、海底で噴出したり噴出した後海水にふれたりしたときに、海水にふれた部分は急冷して固い殻ができます。
一方、内部はまだ熱く溶けたままなので、殻を破って外へ出ます。すると、また海水にふれ、外側に固い殻ができます。…ということを繰り返します。その結果、枕の形をした溶岩がいくつも積み重なったものが形成されるのです。
露頭を紹介します。
長良川右岸の県道61号大和美並線を北上し、郡上市美並町から八幡町に入ったすぐの集落が浅柄地区ですが、そこを通り過ぎ次の集落(貝付地区)まで進みます。高速道路の橋梁の下を通りますが、その東側の橋梁を通り過ぎてすぐのところ(10mほど)から、長良川の河原に下りる道があります。車を止め、坂道を進み、河原へ下ります。
下流側に進み、高速道西側の橋脚から西北西へ200m弱のところに、写真のような枕状溶岩が見られる露頭があります。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
枕状溶岩は平面的には多くが楕円形に近く、長径は20cm~50cmのものが多いです。
下の写真には大きな3つの枕状溶岩が写っています。
また、ここの玄武岩質溶岩(枕状溶岩を含む)は、暗灰色を示す他に淡褐灰色の部分が多くありますが、酸化によって変色したものと考えられます。
地質図において、この枕状溶岩が見られる露頭(×地点)の周辺は、緑色(Mbs)の中にオレンジ色(Mch)が細長くところどころに分布しています。×地点は、緑色の中にあります。緑色はおもに玄武岩質火山岩類からなる地層で、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
下の写真は、中上の写真に写っている露頭から南東へ6mほどのところにある露頭を南東から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。