砂岩泥岩互層【長良川本流沿い露頭編13】

長良川鉄道下りの「湯の洞温泉口駅」から「洲原駅間」において、途中で長良川を渡ります。

東海北陸道も長良川鉄道のほぼ上を通っています。鉄橋を渡るとすぐにトンネルに入りますが、渡った長良川の右岸側(北側)に露出しているのが砂岩泥岩互層です。

砂や泥の混じったものが海底の斜面で移動し流れ込む時、粒子が粗い砂は下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。何回も繰り返して流れ込むと、砂と泥が縞状になって堆積し、それが固結し岩石になったものが砂岩泥岩互層です。

ここで見られる砂岩泥岩互層は、数cm~20cmの厚さの暗青灰色の砂岩層に、1cm~数cmの厚さの黒色の泥岩層がはさまっている状況ですが、全体的には砂岩層が目立っています。また、この露頭の西へ400mほど進んだ長良川右岸には、チャート層が露出しています。

地質図において、×地点(立花の長良川鉄道鉄橋下右岸)には黄色(Mss)であるおもに砂岩からなる地層が分布していますが、オレンジ色(Mch)であるおもにチャートからなる地層も近くに分布しています。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)

写真が四種類ありますが、上の写真は長良川鉄道の橋脚近くの砂岩泥岩互層を北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。中下の写真は、上の写真のハンマーの置いてある位置に近づいて撮ったものです。下の写真は、ほぼ同じ露頭を西から撮ったものです。

スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。


あわせて読みたい
砂岩と間に入り込む泥岩【長良川本流沿い露頭編12】 メランジュは、海洋のプレートの上に堆積したものが、陸側のプレートの下にもぐりこむ際、はぎ取られ混ざり合いながら陸側のプレートにくっついていく場合の特徴的な地質体です。美濃帯堆積岩類におけるメランジュは、泥岩の基質中にさまざまな種類(玄武岩・石灰岩・チャート・珪質泥岩・砂岩など)や大きさの礫、岩塊を含みます。この露頭では基質である泥岩が数m径の玄武岩の岩塊を含むとともに、珪質粘土岩と砂岩の間に入り込んでいるという状況が確認できます。
よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

目次